ここでは、プードルやチワワ、ダックスフンドに多く見られる病気について、病気の種類や症状、原因、一般的な治療法など紹介させていただきます。
病気は、何より早期発見・早期治療が重要になるので、愛犬に何かしらの異常が見られる場合は、早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。
プードルに多く見られる病気
プードルが発症しやすい病気は以下の3つです。
被毛が長くてもつれやすい特性があるため、プードルは皮膚の病気に注意が必要です。
過敏性皮膚炎、ホルモン異常による皮膚病、外耳炎
その他、脂漏症、白内障、流涙症、副腎皮膚機能亢進症などの発症率もプードルは比較的高いのが特徴です。
プードルに多い過敏性皮膚炎の症状や対処法
過敏性皮膚炎は、免疫システムが過剰に反応してしまうことが原因で皮膚に異常が生じる皮膚炎です。
皮膚に赤いボツボツができたり赤く腫れたりする症状がでるため、これらの異常を発見した際はアレルゲンを特定して愛犬の生活環境から取り除く必要があります。
プードルに多い皮膚病の種類や原因、治療方法
プードルは、皮膚病の中でもホルモン異常による皮膚病が多いのが特徴です。このような皮膚病は、ホルモンのバランスが崩れることによって生じる病気です。
プードルも人間と同様に、体内では様々なホルモンが分泌されている影響で、このホルモンが不足してしまうと毛が切れやすくなったり、抜けやすくなったりします。
なお、基本的にホルモン異常による皮膚病の症状は、抜け毛で判断することができます。普段よりも抜け毛が多い場合は、まずは動物病院で検査をしましょう。
また、体内のホルモンバランスを整える必要もあります。
一般的には、対処療法として薬を用いた治療で症状が収まることが多いのですが、脳下垂体にできた腫瘍が副腎皮膚ホルモンの過剰分泌の原因となっている場合もあります。
その場合、原因となってる腫瘍を取り除かなければいけません。
プードルに多い外耳炎の原因や治療方法
垂れ耳のプードルに多い外耳炎は、耳垢がたまることが原因で引き起こされます。
皮膚の垢や外気中のホコリなどが原因で外耳炎になることが多く、外耳炎の症状はかゆみがでます。
そのため、プードルが過敏に頭をふったり耳に何かをこすりつける仕草が多い場合、外耳炎を疑うことができます。
外耳炎になってしまった場合は、耳の垢を取り除き、軟膏を塗って治療する必要があるので、必ず動物病院に行きましょう。
また、外耳炎が悪化してしまうと重い中耳炎になってしまうことがあるため、早めに対応することをおすすめします。
プードルが発症しやすいその他の病気
その他、特に気を付けなければいけないのは、白内障、流涙症です。
どちらも目に関する病気ですが、最悪の場合失明してしまう場合があります。
急に失明になるわけではありませんが、どちらも症状が重度になることで失明してしまうリスクがあるため、日頃から愛犬の目の観察が重要です。
チワワに多く見られる病気
チワワが発症しやすい病気は、以下の4つです。
乾性角膜炎、僧帽弁欠損症、気管虚脱、水頭症
特にチワワの場合は目が大きく、出ているため目の病気にも十分注意が必要です。
その他、膝蓋骨脱臼、角膜炎などの発症率も高いのが特徴です。
チワワに多い乾性角膜炎原因
乾性角膜炎は異物やけが、刺激、細菌・ウイルス感染で炎症を起こします。
これらの炎症によって目が赤くなり、腫れてくるなどの症状が起こります。
チワワの目に炎症がある場合は乾性角膜炎の恐れがあるため、炎症の原因となるものを取り除くために点眼が必要となります。
異常が感じられる場合は、早めに獣医師に確認しましょう。
チワワに多い僧帽弁欠損症の症状や治療法
僧帽弁欠損症は僧帽弁が閉じなくなり、体内の血液が逆流する病気です。
僧帽弁欠損症になると息切れやせきの症状が見られ、血液の逆流がひどくなると、体内の血液量が減るため、少し動いただけで息切れするようになるのが特徴です。
また、僧帽弁欠損症の症状が悪化してしまうと、肺に水がたまる肺水腫を起こすようになることがあります。
肺水腫を起こしてしまうと、ゼーゼーと苦しそうなせきを頻繁にします。
僧帽弁欠損症になってしまった場合、心臓にかかる負担を軽減させることが必要になり、一般的には薬を用いて全身の状態を改善していきます。
強心剤で心臓の働きを強めたり、利尿薬を使い体内の余分な水分を体外に排出。
心臓に流れ込む血液量を増やすなどして、治療が行われることがあります。
また、血管拡張剤で血管を広げて心臓にかかる負担を軽減する方法もありますが、根本的な治療法ではありません。
日ごろから、愛犬の心臓に負担をかけない生活を心掛けてあげましょう。運動量や運動の方法、生活する上での注意点についても獣医師に確認することをおすすめします。
チワワに多い気管虚脱の原因や症状、治療方法
気管虚脱は気管がつぶれることが原因で起こる病気です。日ごろから咳をするようになり、咳が重症化していくことが多いのが特徴です。
呼吸困難が起こる、だんだんとせきが激しくなるのが特徴のため、最初のうちが気が付きづらいですが、症状が進むと発作が起きてしまいます。
気管虚脱は重症でなければ薬の投薬治療をすることができるため、少しでも愛犬に症状が出た場合は病院の受診を心掛ける必要があります。
どんな病気も、早期発見・早期治療が重要です。
チワワに多い水頭症の症状や治療方法
水頭症は、脳脊髄液が増えることで起こる病気です。
水頭症になると、痴呆のような症状や体の麻痺、攻撃性などの症状が出ることがあります。
特殊な症状が出るわけではないため、飼い主さんが初期症状に気づきにくいのですが、症状が悪化すると障害が出る可能性があります。
水頭症は、脳圧を下げることで症状を和らげることができるので、早めに獣医師に相談しましょう。
チワワが発症しやすいその他の病気
その他の病気で特に気を付けなければいけないのが、膝蓋骨脱臼です。
膝蓋骨脱臼は、最悪の場合歩けなくなってしまうことがあるため、注意が必要です。
愛犬の生活スペースは、フローリングなどの四肢に負担がかかりやすい滑る素材を使用しないようにしましょう。
また、高い場所からの飛び降りにも注意が必要です。
ダックスフンドに多く見られる病気
ダックスフンドが発症しやすい病気は、以下の4つです。
角膜炎、白内障、椎間板ヘルニア、糖尿病
ダックスフンドは垂れた耳が特徴ですが、その分耳の中に汚れが貯まりやすいため注意が必要です。
その他、副腎皮膚機能亢進症などの発症率も高いと言われています。
ダックスフンドに多い角膜炎の原因や治療方法
角膜炎は異物や怪我、刺激、細菌・ウイルス感染などの影響で目に炎症が起きます。
角膜炎になると目が赤く腫れ、痛みやかゆみなどの症状がでるのが特徴です。
角膜炎になった場合、その原因となるものを取り除く必要があり、基本的には点眼などの治療法が行われます。
ダックスフンドに多い白内障の症状や治療方法
白内障は、目の水晶体が白く濁ることで引きおこる病気の一つです。
本来は透明な水晶体ですが、白内障はタンパク質の変化により白く濁る病気で、白内障になると物が見えにくくなり、以下のような症状が見られます。
壁に頭をぶつける・おもちゃの距離感がつかみにくくなる等
白内障の疑いがある場合は進行を抑えるために薬を用いて治療する場合が多いのですが、症状が悪化している場合は水晶体の摘出も必要になる場合もあります。
ダックスフンドに多い椎間板ヘルニアの症状や治療方法
椎間板ヘルニアは椎間板がつぶれ、髄核が脊髄を圧迫することで起きる病気です。椎間板ヘルニアになると、体中のまひや痛みが起こるため歩き方に異常が出やすいのが特徴です。
髄核がどの神経をまひさせているのかによっても症状が異なる場合もありますが、椎間板ヘルニアになった場合はどの症状でも薬を用いて症状を軽くすることができます。
しかし、中には手術が必要になる場合もあるため、早期発見が何より大切です。
日頃から愛犬の歩行に変わったところがないか確認しましょう。
ダックスフンドに多い糖尿病の初期症状や治療方法
糖尿病はインスリンの働かなくなることで起きる病気です。
特徴としては、ご飯をしっかり食べているにも関わらずどんどん体が細くなっていったり、やせていきます。
糖尿病はインスリンの働きが原因となるため、インスリンを注射する治療法が用いられるのが一般的です。
しかし、治療中に低血糖になってしまうと、昏睡状態になる危険性があるため注意が必要です。
ダックスフンドが発症しやすいその他の病気
その他、気を付けなければいけないのは副腎皮膚機能亢進症です。副腎皮膚機能亢進症は、皮膚に弾力がなくなり乾燥する症状が見られます。
あまり気が付きにくい病気の一つでもありますが、場合によっては手術が必要になる場合もあるため注意する必要があります。
どんな病気でも早期発見・早期治療が重要
今回は、プードル・チワワ・ダックスフンドが発症しやすい病気の原因や症状、治療法など幅広く紹介しました。
どんな病気でも、愛犬のQOLの維持や進行を遅らせる、完治させるためには早期発見が重要です。
日頃から愛犬の様子をしっかりと見て、いつもと違うことがあれば早めに獣医師に相談しましょう。