ここでは、イタリアン・グレイハウンドのヨネちゃんの肝機能障害の体験談をご紹介いたします。
病気体験談は、様々な飼い主さんが愛犬たちの病気の体験談を残すことで、治療の選択肢を増やすことを目的として掲載しております。
同じような治療を推奨することを目的とした記事ではございませんので、ご了承の上読んでいただきますようお願い致します。
また、獣医師からの指示内容だけでなく飼い主さんの個人的見解も書かれています。
飼い主さんの見解については獣医学的根拠があるわけではございませんので、一個人的な意見としてお読みください。
愛犬情報|イタリアン・グレイハウンド
犬種名:イタリアン・グレイハウンド
年齢(病気発症時):12才9ヶ月
性別:メス(避妊済み)
肝機能障害の初期症状や治療方法
病名:肝機能障害
初期症状:嘔吐、食欲不振
受診のきっかけ:連日の嘔吐と食欲不振
検査内容:血液検査
治療内容:薬物投与、食事療法、皮下輸液、吐き気止め注射、栄養剤注射、オゾン療法(注腸法)
愛犬の肝機能障害についての担当獣医師の見解と治療法
ここでは、担当獣医師の見解と実際に行った治療内容を紹介します。
愛犬の肝機能障害|担当獣医師の見解
投薬治療と食事療法の後、血液検査をして数値の改善がみられるか確認。
その間、脱水がみられる場合は皮下輸液で対処。肝臓の再生を促すために、良質なタンパク質を摂取させてほしい。
薬の投与やドッグフードの変更
・ウルソデオキシコール酸、グリチロン配合錠の投薬開始
・ドッグフードをヒルズi/d肝臓ケアに変更
愛犬の肝機能障害治療の経過や出ている症状
ここでは、愛犬の肝機能障害治療の経過や出ている症状について紹介します。
1回目血液検査の結果 → 肝機能障害と診断(ALT 714/AST 160/ALP 314/GGT 17)
肝機能障害発症から2日後
投薬治療を開始するも、嘔吐と食欲不振が継続し薬が入らないため受診。
獣医師より、2日前の段階で皮下輸液をすべきだったと言われる。
治療内容
・皮下輸液
・栄養剤の注射
・体調を確認しながら少量の缶フードから食事再開(少しずつ増量)
肝機能障害発症から2週間後
2回目血液検査の結果 → ALT 445/AST 103/ALP 357/GGT 25
獣医師より、あまり改善がみられず胆管の炎症が疑われると言われる。
治療内容
・ウルソデオキシコール酸、グリチロン配合錠、ファモジン、アモキクリア錠
・嘔吐を抑え、食事と薬を体に入れることで体力の回復を目指す
肝機能障害発症から3週間前後
嘔吐は収まるも偏食傾向が強まり、肝臓の療法食を食べたがらない。
担当獣医師からは、療法食を食べないなら通常食でも良いとの指示を受ける。
・発病前のドッグフード、犬用ミルク、缶詰め、チーズ、馬肉(生肉)、鹿肉(生肉)、トライプ等を試すも、どれも結果はいまひとつ
・食べたがるのはサツマイモ、リンゴ、ダイコンなどの植物性の食べ物のみ
・特に動物性タンパク質を食べたがらない傾向あり
肝機能障害発症から4週間後
3回目血液検査の結果 → ALT 417/AST 114/ALP 559/GGT 29
担当獣医師からは、あまり改善が見らないと言われる。
・ウルソデオキシコール酸、グリチロン配合錠を増量
・食事量が足りず体重が減少傾向 発病前平均5.2kg → 4.8kg
・3~4日に1度ぐらいの頻度で嘔吐
・薬を満量体に入れるため食事内容は問わず
肝機能障害発症から50日後
4回目血液検査の結果 → ALT 167/AST 66/ALP 274/GGT 27
獣医師から、薬の効果が出始めたとのではないかと言われる
・ウルソデオキシコール酸、グリチロン配合錠、ファモジン、アモキクリア錠
・血流を上げるためにオゾン療法(注腸法)開始
・偏食が一向に改善しない
・食欲不振が続いているためヒルズ缶、流動食などを日替わりで試すがほとんど効果なし
・嘔吐が続くと何も食べなくなる → 吐き気止めの注射、皮下輸液の繰り返し
・1週間に1度くらいのペースでオゾン療法継続
肝機能障害発症から約70日後
・自発的にドライフードを食べるようになった(量は多くない)
・オゾン療法は継続
・注射と皮下輸液はひとまず休止
・自発的に食べない分を強制給餌開始
肝機能障害発症から80日後
5回目血液検査の結果 → ALT 130/AST 64/ALP 343/GGT 34
担当獣医師より、数値は横ばい、現状維持が精一杯の状況、とにかく体重を増やして肝細胞の再生を促進させたいと言われる。
腹部の腫れは認められていない、とのことだった。
・ウルソデオキシコール酸、グリチロン配合錠、ファモジン、アモキクリア錠
・ドライフードはまったく食べなくなった
・缶フードはわずかな量を口にすることもある
・ロイヤルカナン肝臓リキッドは自発的に飲まない(腎臓リキッドは飲むこともあるがタンパク質不足が気になる)
・3~4日ごとに皮下輸液と吐き気止めの注射
・食事はほぼ強制給餌に切り替えるが、体重4.5kgに減少
肝機能障害発症から90日前後
・連日嘔吐が続き、少量の食事を回数多く強制給餌した結果、体調はやや小康状態
・体重4.4kgに減少
肝機能障害発症から約100日後
・尿の色が濃い茶に変色(ビリルビン尿)
・強制給餌が効いているのか、体重4.6kgに増加
肝機能障害発症から116日後
6回目血液検査の結果 → ALT 91/AST 60/ALP 293/GGT 24
獣医師より、肝臓の数値は改善しているが総たんぱく(TP)が足りず貧血も認められる。
引き続き強制給餌で良質なタンパク質を摂取させてほしい、と言われる。
・プロラクト鉄タブ追加
・体重4.5kgに減少
肝機能障害発症から118日後
肝機能障害発症から118日後で、愛犬は残念ながら虹の橋に向かいました。
治療にかかった費用
通院 合計18回
・再診料 計¥9,720
・血液検査 計¥38,060
・内服薬 計¥89,208
・皮下輸液+注射(吐き気止め・栄養剤) 計¥28,200
・オゾン療法(注腸法) 計¥19,440
・療法食(病院購入分のみ) 計¥10,240
合計 ¥194,868